第28章 妻の開花
side.五条悟
名前の呪力が変化していたことには気づいてた。
だからって、ここまで成長しなくても良いんじゃないかな?
名前が呪霊を祓う姿を見て、
すごく嫌な気分になる。
君が1人で何か出来るようになる度に、
僕の中にはドス黒い感情が生まれるんだ。
呪霊を祓い終えて、倒れそうになる名前を抱えた。
「後でお仕置だから」
「…はい…わかっ………」
名前は力尽きたのか、僕の腕の中で眠りに落ちる。
仕方がない。
今日のところは引き上げるか。
君のお父さん顔色が良くなってるしね。
僕は眠ってしまった名前を連れて、病室を出る。
阻害してたはずなのに。
いつの間に成長したんだろう?
父親に会うと言えるようになったり、
呪霊を祓えたり。
ああ。
ダメだ。
考えただけでモヤモヤする。
もういっその事檻に閉じ込めて、
外の世界との交流を遮断した方が良いかな?
なんて物騒な考えまで過ぎってしまうだ。
そんな事したら、きっと硝子や歌姫に怒られるんだろうな。
とりあえずお仕置して、その態度次第かな?
覚悟してね?
僕の愛は重力より重いから。