第27章 僕の潜在意識**
side.名前
悟さんの看病ができるなんて。
不謹慎だけど嬉しい。
「この点滴で、少しは良くなるといいけど」
「ありがとう…」
いつも余裕そうにへらりと笑う悟さんが。
今日は無理して笑っているようだった。
「悟さん。卵粥作ってるけど食べれる?」
「うーん…」
悟さんが珍しく悩んでいる。
熱のせいで食欲ないのかな?
それともゼリーとか。
うどんの方が良かった?
「名前…名前が食べたい…」
「えっ?」
悟さんの言葉にキョトンとしてしまう。
「私は食べられないよ?」
「んー…そういう意味じゃないんだけどな…」
熱っぽい碧い瞳と視線が重なって。
心臓が“ドキッ”と跳ねる。
そういう事じゃないよね?
悟さんは熱にうなされてるんだ。
何事もなかったように振る舞うけれど。
私の下半身は期待で濡れていくのが分かった。
「…名前…」
「うん?」
「側に来て、キスしてよ」
「…でも…」
戸惑っていると、悟さんに腕を掴まれて。
強引に引き寄せられる。
悟さんは風邪をひいてるんだから。
そんな事出来ないよ。
私の腕を引く手を、何とか離そうしたけれど。
悟さんは離してくれなかった。