第27章 僕の潜在意識**
side.五条悟
春眠暁を覚えず。
暖かな春。
僕がゆっくり寝ていると、いい香りがしてきた。
何だろう?
違和感を覚えて、むくっと起き上がる。
いつもある名前の重みがなかった。
起きてから身体の異変に気づく。
何だろう?
頭がカチ割れそうな程、痛い…
「あれ?悟さん。起きてたの?」
「…うん…」
「凄い熱だから、医務室から点滴持ってきたよ」
「そっか…」
僕は風邪をひいたのか。
テキパキと僕の腕に針を刺す名前。
「…ごめん…迷惑かけちゃったね…」
ここ数年、風邪をひいたことなんてなかったのに。
情けない。
こんな格好悪いところ。
名前に見せなくなかったな。
「そんな事ない。私は悟さんの看病が出来て嬉しいよ?」
「そう?」
「うん」
ふにゃりと笑う名前に救われる。
僕はいつも完璧でなければいけないと。
心の何処かで、そう思っていたのかもしれない。
「学長にも伝えてきたから、今日は休もう?側にいるから」
「…うん…ねえ?名前?」
「うん?」
「ありがとう…」
「いいよ」
名前に介抱して貰いながら。
ゆっくりと横になった。