第23章 僕の過去
side.五条悟
「…だってっ…悟さんっ…ひっく…私の事なんかっ…」
「今日は本当にごめんね。僕が全部悪いよ」
「…そんな事っ…私が手をっ…もうっ…二度としないからっ…ひっく…一人にしないでっ…ごめんなさいっ…」
バカだなぁ…
そんな事で君を手放すわけないだろ?
僕は名前の頬を包んで、触れるだけのキスをした。
「名前が何を怖がってるか…僕には分からないけど…僕の初恋は君なんだ」
「…ひっく…うん…」
「だからさ…その…僕も人間だし、好きな女の子が出来たのは初めてだから…時々は不器用になっちゃうの許してよ」
眉がハの字になってしまう。
こんな女の子一人に振り回されるなんて。
呪術師最強が呆れるだろ?
名前はコクコクと頷いてくれる。
どうやら涙は止まったみたいだね。
「それでさ。昼間ちょっと離れたのはこれを買うためなんだ」
そっと名前の手をとり、薬指に指輪をはめた。
「えっ?」
「タンザナイトの指輪。可愛いと思って買っちゃった」
「…私に?」
「うん。名前が僕とずっと一緒にいられるように…って」
「ううっ…大事にします」
「嫌な思いさせてごめんね?」
名前はぶんぶんと顔を横にふる。
「好きだよ。名前」
僕は本当に君の幸せしか考えてないんだ。