第20章 僕の発情期*
side.五条悟
僕が毎日の日課の夕食を作っていると、モジモジしながら名前が近寄ってきた。
どうしたんだろう?
不思議に思っていると、そっと背後から抱きつかれる。
「名前、どうかした?」
「…あのね…私…」
「うん?」
「…赤ちゃん…できたみたいなの…」
「えっ?」
思考が停止する…というのは、
こういう事をいうか。
マジ?
「私との子供…嬉しくない?」
「そんなっ!すごく嬉しいよっ!」
不安気に僕の顔を覗き込んでくる名前。
僕は嬉しさのあまり、名前の頬を包んで、何度も何度も啄ばむようなキスをした。
「ふふっ。喜んでくれて良かった」
ふにゃりと笑う名前を見て、この上なく幸せだと思った。
そこでハッと目が覚める。
吃驚してムクッと起き上がると、僕の上に乗っていた名前が落ちてしまった。
「ふにゃっ!」
「あっ。ごめん」
「…んー…どうしたの?トイレ?」
「いや。今、すごくリアルな夢みてさ」
「…夢?怖い夢だったの?抱っこしてあげるから寝よ?」
「…んー…うん」
名前の胸に抱かれて横になる。
「ねえ?名前?」
「んー?」
「…まさか…妊娠とか…してないよね?」
「ふああっ…してないよ…」
名前はまた眠ってしまう。
そうだよね。
名前は避妊してるもんね。