第18章 可愛い妻の看病*
side.五条悟
朝、目覚めると。
妻の異変に気づく。
名前の寝相は、その日の気分によって変わるけど、
基本的に僕の上に乗るような形で寝ている。
でも今日の彼女は姿が見えないくらい下にいて、
布団をすっぽりと被り、小さく丸まっていた。
もうすぐ夏なのに、暑くないのかな?
不思議に思いながら、洞穴から出てくるように促す。
「名前ー。おはよう。朝だよー」
「…んんっ…やだ…寒い…」
おはようのチュウもせず、
掛け布団で僕をシャットアウトする名前。
えっ?
寒いってまさか風邪?
「名前。寒いの?」
「…んー…うん…頭痛い…」
多分。
それ風邪だよね。
僕は名前を布団で包み、
急いで医務室へ連れて行く。
「硝子ー。おはよう」
「おはよう…って、何それ?」
「ミノムシになった僕の妻。寒いらしいから診てあげてよ」
「あらら。風邪か?」
「僕のミノムシちゃん。ちょっとだけ出ておいで」
無理矢理、布団を剥いで、
名前を硝子に診せる。
僕は小さく丸まった名前を抱きかかえていた。