第15章 硝子さんの代理*
side.名前
「僕だけのものでいてよ」
悟さんの切ない声を聞いて、
胸がギュッと締め付けられた。
「私は悟さんのものだよ?」
私たちは2人で1つなの。
一緒にいなければ、眠る事も出来ない。
この温もりがなければ、息が詰まりそうになるの。
悟さんは私と一緒に医務室のベッドに横になる。
「本当に一緒に当直してくれるの?」
「うん。だって一人じゃ寝れないし」
悟さんは私を抱っこして眠りにつこうとした。
「寝ちゃったら急患が来た時、困るよ…」
「大丈夫だよ。そん時は流石に騒がしくて起きるでしょ」
「そっか」
なんか上手く丸めこまれた気がするけど…
「ねえ?悟さん」
「うん?」
「大好き」
「僕も名前が大好きだよ」
頬にチュッとキスをされる。
もっと好きと伝えたいのに、これ以上の言葉がみつからない。
「ねえ?悟さん」
「うん?」
「愛してる」
「僕も愛してるよ」
手をギュッと握って、へらりと笑う悟さん。
その顔に、また胸が締めつけられた。
こうして抱きあえば、
悟さんと同じ体温になって、
同じ匂いになる。
それだけで、私はこの上なく幸せになの。