第15章 硝子さんの代理*
side.五条悟
名前が3年になってからは、一緒に任務に行くことが増えた。
寧ろ彼女を連れていかない日の方が少ないくらいだ。
本来であれば、硝子の時のように危険な任務には行かないんだけど。
名前は特別で常に一緒にいる。
今の所、高専で他者に治癒の反転術式を使えるのは名前と硝子だけ。
僕は自分にしか使えないし、呪いを祓う方が性に合ってる。
だから高専には硝子。
呪いにあてられた被呪者の手当ては名前。
という感じに任じられた。
硝子が休みたいと言う時は、なるべく名前が高専に残るけど。
僕はそれが気に入らない。
「今日の当直は名前ちゃんらしいぜ!」
「マジかよ!?」
「ちょっと俺の頬殴ってくんねぇ!?」
「俺は適当に転んで擦り傷作ってくるわ!」
なんて言うバカな輩がいるからだ。
アホらしい。
名前は僕以外に興味がないんだよ。
執務室で拗ねていると、また廊下から男達の声がした。
「やっべー!マジ可愛いかった!」
「マジ天使ー!」
「硝子さんは美人だけど、名前ちゃんは可憐でさ。こっちまでフワフワしちゃうんだよなー♥」
「分かるわー♥」
名前を賞賛する声が響く。