第13章 僕の誕生日(20歳)③*
side.名前
悟さんのお誕生日なのに、私の方が尽くして貰ってしまっている。
温泉に浸かりながら、悟さんの首に抱きつく。
「ねえ。名前」
「うん?」
「君。僕に隠してる事あるでしょ?」
「えっ?」
特別、思い当たる節はない。
首を傾げると、悟さんは私の胸に顔を埋めた。
「名前のおっぱい大きくなってるでしょ?」
「あっ…」
確かに下着はきつくなってきたけど。
ホックの位置ずらせば、まだ使えるし。
「名前。これは僕のおっぱいなんだから。杜撰に扱われたら僕は泣いちゃうよ?」
「ごめんなさい。確かにちょっときつい…かも…」
「そうだね。明日の帰りにでも新しい下着を買いに行こうね」
「…うん…」
悟さんは私の身体を全て熟知しているみたい。
私も悟さんのコンディションに気を配れるようになりたいな。
「悟さん」
「うん?」
「いつも優しくしてくれてありがとう」
「君は僕の可愛い妻なんだから。当たり前だよ」
「私も悟さんに尽くせるように頑張るね」
悟さんにチュッとキスをする。
すると悟さんはへらりと笑ってキスを返してくれた。