第5章 二人の生活
安は不死川と一緒に暮らし始めた。
風月庵の女将と旦那は渋っていたようだが、安の説得に負けたようだ。
安は幸せだった。
好きな人の為に料理をし、洗濯をする。たまには彼の大好きなおはぎを作り、二人で食べる。
彼は、任務、と言って夜中に家を開けることもあるし、数日帰らないことも多かった。
でも、きちんと帰って来てくれるし、帰れば優しく頭を撫でてくれた。
「帰ったぞゥ」
「お帰りなさい。」
二日振りに不死川が帰ってきた。玄関まで迎えに出て、安は驚いた。不死川の後ろに客がいた。一人は男性で左右の目の色が違かった。もう一人は女性で、ピンクの髪の毛をしていた。
「きゃ〜〜〜、可愛いわ。とっても可愛いわ。初めてまして。甘露寺蜜璃、って言います。不死川さんの家にこんな可愛い子がいたのね。羨ましいわ。」
甘露寺蜜璃と名乗った、ピンクの髪の毛の女性は、安の両手を掴むと、上下にブンブンと振った。
「、、、甘露寺、少し落ち着け。驚いてるぞ。
伊黒小芭内だ。」
「二人共仲間だ。」
隊服を見ればそれはわかります、と言う言葉を安は飲み込んだ。
とりあえず上がってもらって、急いでお茶の用意をする。
不死川が帰って来るのがわかっていたから、おはぎの用意もしてあった。それもお茶と一緒に出す。
「きゃ〜〜〜、おはぎね。とっても美味しそう。え?手作りなの?すごいわね。いただきます。」
10個ほど出したおはぎが一瞬でなくなる。
「、、、俺なんかよりよっぽど食べるぞ。
まだあるなら出してやれ。」
「そうなんですね。わかりました。」
安は台所から、さっきの倍ほどのおはぎを持ってくる。
それも次から次へとなくなっていく。安は見てて面白くなってしまった。くすくす、と笑い始めてしまう。
「あら、ごめんなさい。美味しくて、がっついちゃった。」
「実弥さんよりおはぎをたくさん食べる人、初めて見ました。わかっていたらもっとたくさん用意しといたのに。」
「本当?またおはぎ食べに来てもいいかしら?あんこちゃんのおはぎはとっても美味しいわ。」
「もちろん。言ってくだされば、今日の倍のおはぎを用意しときますよ。」
「きゃ〜〜〜、あんこちゃん、可愛いわ。大好きよ。」
蜜璃に抱きしめられる。