第4章 二人きりの任務
バシャンっ!!
次の瞬間、錆兎の身体に強い衝撃が走る。水面が当たった背中に激痛が走り、続いて、上から落ちてくる水の水圧で、身体をもみくちゃにされて行く。
ガツッ!
突如、岩か何かにぶつかったのか、腕に激痛が走り、錆兎が顔を歪めた。その激しい衝撃に、錆兎の意識が一瞬持っていかれそうになる。
しかしそんな錆兎の頭に、師・鱗滝の声が聞こえてきた。
錆兎、お前は水だ。水と一つになれっ!
(……水と…一つに………先生っ!)
錆兎は音羽を抱えた腕以外の力を抜くと、水の流れに身を任せる。
(くそっ、こいつだけは…、)
絶対に離さない。音羽を抱きしめた手に力を込める。
やがて、錆兎たちの身体は水の流れに沿うように、川の流れの中に飲み込まれていった。
ー 二人きりの任務 完