第2章 秘蜜の関係※
そこまで妄想を爆発させ、錆兎はやっと気づいた。
(は?…俺、女々しくないか?)
普段から義勇に「男ならっ!」とか言ってるくせに、今の自分はそこからかけ離れてる。
どうにもコイツといると、調子が狂う。
錆兎はすべてを忘れるよう、軽く首を振ると行為に集中した。
音羽の腰を両手でしっかりと掴み、律動を早め、内部の壁を激しく擦りながら、音羽の反応がいい奥をガンガンと突いて行く。
その強い刺激に音羽は息を乱して、壁に縋り付くように手を付いた。背中を撓らせ、身体を静かに震わせる。すると次第に内部の締め付けが強くなり、音羽に終わりが近いのがわかった。
(駄目だっ、俺も出そうだ。)
錆兎も次第に深くなる快感に耐えるように、夢中で腰を突き上げた。
「…っ…、ん…、んぅっ!」
すると突然、音羽が小さく声を上げて、身体を大きく震わせた。
それと同時に音羽の足の力が抜けて、崩れ落ちそうになるのを錆兎は腰に回した手で、慌てて支えた。
「おい、大丈夫か?」
音羽の身体を軽く持ち上げ、壁に押し付けるように固定すると、耳元で囁いた。
「悪いが俺がまだた。もう少し、頑張ってくれ。」
そう言うと、壁に押し付けた音羽の後ろから、激しく律動を繰り返す。次第に絶頂の波が押し寄せ、錆兎は寸前で自身を引き抜くと、小屋の壁に白濁した液を吐き出した。
「……ふぅ。」
錆兎は一呼吸吐き出すと、抱えたままの音羽の身体を優しく床に寝かした。
音羽はそのまま、顔を床に向けたまま、荒くなった呼吸を整えていたが、落ち着くとスッと起き上がり、衣服を整え始めた。
下の衣服を腰まであげ、落ちたサラシを拾うと、錆兎に背を向けて巻き直す。そのまま、シャツ、上着のボタンを閉め、スボンの中に仕舞うと、ベルトを絞める。
床に置いてあった刀を帯刀し、羽織を羽織ると自分の荷物を持ち、錆兎に視線を向けた。
「じゃ、お先に。」
本当に何もなかったかのようにそう告げると、小屋から出ていった。
残された錆兎は、その一部始終をあ然とした顔で見送った。
そして、出ていった扉を睨みつけると、
「なんだよっ、あの女っ!!」
そう吐き捨てるように、叫んだ。
ー 秘蜜の関係 完