第11章 恋焦がれて※
それと共に、錆兎の腹に音羽の柔らかいモノが押し付けられたのわかり、下半身がピクリと反応する。
「そんなに強く抱きついて、もしかして誘ってるのか?」
「ち、違うっ!」
音羽が顔を真っ赤にして反論すると、錆兎は笑いを抑えるように小さく、ククッと笑った。
「冗談だよ。それに少ししたら、妙さんが来ちゃうからな。お前もそれまでに身なりを整えたいだろ?」
錆兎は音羽から名残惜しげに離れると、布団から身体を起こす。
「風呂焚いてきてやるよ。入りたいだろ?」
確かに昨夜は色んな意味で汗をかいたし、色々とされたせいで身体中がベタベタしてて、ひとっ風呂浴びたい気分だった。
「ありがと、助かるわ。」
音羽が礼を述べると、錆兎は含むようにニヤリと微笑んだ。
「また一緒に入るか?」
「ふぇっ!?」
昨夜の出来事を思い出して、音羽が顔を真っ赤にさせる。
「入らないわよ!ていうか、絶対に入ってこないでよっ!」
「どうだろうなぁ、約束は出来ない。」
白々しく答えると、音羽がギロッと上目遣いに錆兎を睨み「スケベ、変態っ!」と言葉を付け足した。
そんな仕草も可愛くて仕方がない。
「男はみんな、スケベで変態なんだよ。」
錆兎は身を屈めると、音羽の頭に口付けを落とし小さく囁いた。
「勿論俺は、お前にだけだからな?」
「っ!?」
驚いて言葉を出せずにいる音羽に、錆兎は少し恥ずかしげに微笑むと、立ち上がって放って置いた寝間着の浴衣を着込んで部屋から出ていった。
一人残された音羽は、自分の心臓の鼓動が激しく波打つのを感じていた。
(ヤバい…、カッコいい……、)