第2章 秘蜜の関係※
山下りの途中で見つけた、今は使う者もいなさそうな寂れた山小屋。その小屋の中に錆兎は音羽と共にいた。
「っ……、んっ……っ、」
その静かな小屋の中には、音羽の艶のある荒い息遣いだけが小さく響いていた。
壁に手を付いて背を向ける音羽の身体を、その背後から回された錆兎の手がゆっくりと這う。
手を差し込んだ、はだけた隊服の隙間から、サラシに抑えられた膨らみを揉みしだいては、その刺激で硬さを増した先端の実を指先で布越しに優しく擦る。
「んっ……、」
微かに震える唇から、耐えるような吐息が吐き出されると、錆兎の身体も軽く熱を帯びてくるのがわかる。
「…っ…、もうっ!そこばっかり…しつこいわよっ!」
「そんなに暴れるな。ちゃんと濡れてないと、お前だって辛いだろうし、こっちも痛いんだよ。」
「……………」
錆兎の言葉に大人しくなった音羽は耐えるように唇を噛み締めると、目を瞑り、額を壁に押し付けた。
態勢が前かがみになると、素肌に巻いていたサラシがスルリと下に落下し、ぷるんと大きめの果実が垂れ下がるように姿を見せる。
錆兎はその二つの果実を、後ろから回した手で、下から包むこむように掴むと、優しく揉みしだいた。
久しぶりに掌に生で感じる暖かく柔らかい感触に、錆兎は興奮したように小さく息を吐き出した。
(またこいつ…、でかくなったか?)
普段はサラシで抑えられ、その姿は隠しているが、こうしてサラシを外して、直に触れるとわかる。錆兎の大きな手でも余るほどの大きさ。
錆兎はその感触を楽しむように揉みしだき、敏感な先端を弄ぶように摘むと、優しく擦り合わせた。
「っ……んっ………、」
その手の動きに、音羽の身体がピクンっと小さく震える。けして声には出さないが、荒くなった吐息で、感じてくれてることがわかると、錆兎の下半身が痛いほど反応した。
今、どんな顔をしているんだろう?この美しい顔はどんな風にして、快楽に歪むのだろうか?
そんなことが、錆兎の頭に小さく過る。
しかしそれを見ることは許されない。この行為は、愛し合う恋人同士がするような、そんな甘い行為ではないのだから。