第11章 恋焦がれて※
同時に錆兎が拘束していた手を緩めると、音羽は横に崩れ落ちるように倒れ込んだ。
「はぁ…はぁ…、」
そのまま肩を揺らして、激しく呼吸を繰り返す。錆兎はその姿を見下ろしながら、唇に着いた愛液を手の甲で拭うと、満足気に微笑んだ。
「…大丈夫か?」
呼吸を整えたまま、枕に突っ伏して動かくなった音羽に、錆兎が心配して問いかけると、音羽は伏せたままプルプルと頭を振った。
「信じられない…、まさか…こんな事……するなんて、……嫌だって言ってるのに、」
全て見られた。乙女の大事な部分全てを。
自分でさえちゃんと見たことないのに、それを錆兎に、好きな人に全てを……、もう恥ずかし過ぎて、錆兎の顔をまともに見れそうにない。
頑なに布団に顔を伏せて、こちらを向こうとしない音羽に錆兎がクスクスと気づかれないように笑った。
「いいじゃないか、別に見たって。好きな娘…お前の全てを知りたいって思うのは、当然の事だろ?」
その言葉に、音羽は恥ずかしげに顔を傾けて、チラリと錆兎を横目で見た。
「じゃあ、錆兎は私に見せてくれるの?」
「えっ!?」
その言葉に、錆兎は戸惑いながら自分の尻に手を当てた。
「み…見たいのか?……別にお前なら…俺はいいけど……、」
と、微かに顔を高潮させる。
「馬鹿……冗談よ。」
音羽はそう呟くと、また静かに顔を布団に伏せた。錆兎はそんな音羽の身体に手を回して、抱きかかえるようにぎゅっと抱きしめた。
「ちょっとっ、何するのよっ!」
「そんな拗ねるなよ。身体は反応してたんだから、悪くはなかったろ?」
「そ、そんなことない!もう、離してっ…」
音羽が軽く身体を暴れさせるが、すぐに抱きすくめられる。