【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】
第5章 3ページ目 チラチラッ
「…………」
一大事。
「………………」
なんと言う一大事だ。
「……………………もっふぅ !! 」
REBORNが頭に入ってこない。救急車呼ぶ由々しき事態である。
「oh……てまこ、聞いておくれよ」
テレビを観ている隣でぐーぐー寝ている愛犬に声をかける。寝ていた方は何?と言う表情だけで顔を上げもしない。
「雲雀さぁ――ん !! 」
叫んだら流石に驚いたらしく、ガバッと起き上がってくれたので頭をわしゃわしゃしながら言う。
「てまこっ!クラスになっ!巨人がいてなっ!二次元から来てるんよっ !! 」
犬に説明した所で理解出来る訳が無いし、何よりもいきなり騒ぎ出したので思いっ切りタックルを食らった。
犬の石頭は中々の破壊力である。
「ぐぅ……っ」
タックルを食らった脛を抱えながらボソボソと呟いた。
「………………頭からね、どうしても離れないんよ」
REBORNを観ていれば雲雀さんが出る。最推しで自分はATMだと自覚している程に好きである。
萌えは雲雀さんだけだと言える位に、中学時代は騒ぎ続けてきたのに。
その雲雀さんに思う存分貢ぐ為に部活参加自由、バイトの許可が出る高校をわざわざ選んだのに。
だったのに……。
「………………きれーな後頭部だったなぁ」
曲線の綺麗な後頭部を持つ人は正直少ない。
新生児の時の枕で後頭部の形は決まるのだから、あの後頭部は間違いなく柔らかい枕を使っていたのだろう。
赤ん坊は首が座るまでは、首の負担を減らさなければ命に関わる事が起こる。柔らかいと危険度を上げるだけだから、硬い枕を選ぶ母親も多いと聞く。
そうしたら後頭部が枕の形でストーンとなる事もよくある事。
それを回避した時点であの後頭部は百点満点だ。
「…………雲雀さんだって後頭部素敵に決まってるもーん」
自分自身を言い聞かせる様に呟きながらも顔はむぅ、っとして直らない。落ち着く筈の趣味が落ち着かないで気が散り続ける。
うだうだとソファーの上で転がっていたら母親に怒られた。
「さく、暇ならてまりの散歩にでも行ってきなさい」
散歩、と言う単語に同じくゴロゴロしていたてまりが、耳をピーンと立てて立ち上がってこちらを見ている。
お出かけモードですか、そうですよね。三度の飯より散歩が好きですもんね。