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【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】

第4章 2ページ目 二次元の壁を越えた男?


「…………」

 海野朔夜は今物凄く真剣に考えている。此処まで真剣に何かを考えたのは初めてではないかと思う程に、真顔で自分の机に座って両肘を付いている。
 気分は碇ゲンドウなりのポージングを決めている。
 担任が何やら話している。
 いや、何やら、じゃなくて今からの入学式の段取りの話をしているのだけれど、今はそれ所ではない。最早入学式などどうでもいい。
 朔夜はそう断言出来ていた。
 じーっと見つめる先にいるのは斜め前、二つ前の席に座っている後姿。少しだけ離れた場所に座っていても分かる位にでかい。
 立った姿を見ていないし、正直朔夜は身長が高いとは言えないので自分基準が一般論とは言えない、が断言してやる。
 絶対にでかいに決まっている……と。

(落ち着け私…………よく考えるんだ…………此処は残念ながら二次元ではなく三次元……そう、三次元……)

 脳内でブツブツと呟きながらチラッと目を動かす。やはり、いる。

(え、ちょ、まっ…………何あの人 !? めっさ黒髪じゃね !? てか後頭部めっさ綺麗な曲線っぽくね?え?何?クラスメイトに二次元の壁をぶち破ったっぽいのがいるんですけど !! )

 脳内では大混乱状態だが、表面上は無表情の冷静を装う。
 てかそうしなければうっかり声に出してしまって、入学式が始まる前に全てが終わる気がした。いや、終わるだろう。
 何故今スマートフォンを弄る事が出来ないのだろうかと、朔夜は苦虫を噛み潰した表情で堪えた。


 滅茶苦茶この気持ちを叫びたい、語りたい。なのに友二人よ………。
 なんでそんなに席、離れているんだ。


(いや席が離れてる理由なんか私一人だけあ行なのが原因なんだけどね !! 憎し出席番号!てか二人して終わりの方とか靴箱下で裏山なんですけど !! )

 最早違う事を考えて状況打破を図るが、視界に後姿が入るので無駄に終わっていた。
 姿勢が良い訳ではないが何故か姿勢が良く見えるのは二次元マジックだろうか、と現実逃避に磨きがどんどん掛かっていく。
 自分が新入生とか今から入学式とか全部頭から吹っ飛んでしまった。もう帰りたい気持ちしかなかった。
 妄想に妄想が磨き掛かっていく中、入学式が始まるらしく体育館への移動が始まった。
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