【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】
第3章 1ページ目 二次元の黒髪短髪ツリ目は最強
「えっと名前……名前…………」
新入生名簿が貼り出された掲示板から自分の名前を探す。ついでに中学から同じである友人二人の名前も探す。
オタ充ライフは大事だが、気の置ける友人とはやはり同じクラスになりたい。あわよくば語りたい。下心はオタクの必需品である。
「あ、合った合った」
一組から順番に名前を探してきて無事に三組に名前を見付けた。幸運な事に友人二人とも同じクラスであった。
初日ボッチ回避!と心の中でガッツポーズをしてから友人にLINEを飛ばす。
殿下:『うぇーい!同じクラスktkr』
隊長:『腐れ縁』
総帥:『うん、腐れ縁だね』
殿下:『これで存分に語れるぅー』
隊長:『総帥今何処?』
総帥:『もう教室向かってるよー』
隊長:『おー、じゃあ俺も靴箱にいるし向かうわー』
殿下:『安定のスルー !! 私も教室行くばい!』
それなりに付き合いが長い二人とのやり取りなど何時もこんなモノだ。気にする事はないのでぽちぽちとスマートフォンを弄りながら教室へ向かう。
入学式まで後少しの時間なのだから色々と廊下を行き交う人達とすれ違ったり、如何にも高校生!と言わんばかりの同級生を生暖かい目でスルーする。
人種が違う人が同じ歳なのに眩しいのは何故だろう。
(…………ビバ、オタクライフの高校生活!)
これから始まる高校生活と今まで制限されていたオタク活動を充実させると意気込み、そっとスマートフォンを取り出して再度情報チェック。始業式が始まったら暫くチェック出来なくなるのだし、教室入るまでの間と自分に言い聞かせる。
「…………あ――、Blu-ray観たい」
そう呟きながらガラッと半開きだったドアを開けて教室へ入ろうとスマートフォンから顔を上げて……固まった。
教室内は友人同士で集まっている人、静かに席に座っている人、と様々だったがその中の一人。頬杖を付きながら仏頂面で座っている少年。
黒髪単発ツリ目。
ここは間違いなく、三次元の筈……だ。
(2018,6,19 飛原櫻)