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【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】

第3章 1ページ目 二次元の黒髪短髪ツリ目は最強


 オタクにとって何よりも大事なのは金銭確保。未成年、ましてはアルバイトも許されない義務教育中に、推し作品のイベントやら次々に出るグッズは地獄以外説明が出来ない。
 お小遣いには限度があるし、お年玉だって使えばすぐに無くなる。貯金なんて単語オタクの辞書には存在せぬ。
 その為に諦めたグッズは山の如し.....。
 だから高校は帰宅部があり、アルバイト許可が出る所に行くとずっと決めていた。交通費も掛からず、徒歩か自転車で通える事も大事なポイント。
 全ての条件をクリアした高校が宮城県立烏野高校。
 進学クラスがあるけれど普通クラスならばそんなに偏差値も高くなくて自分の学力で問題無くいける。
 勿論受験シーズンはそれなりに勉強を頑張り、無事合格。

 これから夢のオタクライフ、オタ充するぞ!と意気込んでの入学式当日。
 桜がなんとか入学式までもってくれてピンク色の入学式日和。これから始まる高校生活に花を咲かせながら歩く新入生の中に一人、朔夜はジッとスマートフォンの画面を見ながら歩く。
 リア充には入学式は大事かもしれないが、オタ充に大事なのは如何に時間を無駄にせずに素早く、かつ正確な情報収集する事が出来るか、で全てが決まる。
 ネット社会は便利の一言しかなく、スマートフォンを手にしたらもう手放す事など出来ない。まぁ、パソコンには勝てないけれど持ち運びはスマートフォンの一人勝ちである。
 ここ数年の朔夜の推しキャラは家庭教師ヒットマンREBORN!に出てくる雲雀恭弥。ただし、彼と自分がイチャコラするのではなく、彼の隣にこんな女の子が居たら全力で萌える!と言う思考持ちだった。
 ただ、黒髪短髪ツリ目キャラが兎に角好きであった。その理由は己の髪の毛の色が黒髪でない事である。
 中学時代はちょこちょこ地毛にも関わらず、頭髪検査に引っかかったのも懐かしい思い出になる。

「どこかに黒髪短髪ツリ目の二次元男子は落ちてないかっ!もしくは二次元と三次元の壁を突き破りたいっ!」

 今から入学式を迎えるとはとてもではないが思えない言葉を朔夜はくぅっと悔し顔で一人呟きながら校門をくぐるのだった。




オタク+オタク=?
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