【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】
第9章 7ページ目 秘密の特訓は男のロマンである
田中からの説明に体育館中に転がっているボールを朔夜は見ていた。
「で、拾ったボールはこのカゴに戻す、と」
田中の説明でやる事を理解出来たらしく、朔夜は敬礼すると嬉しそうに走っていきボールを拾っていた。
その姿を見ていた田中は両手を合わせながら菩薩顔で呟いた。
「……後輩女子、堪らん」
「田中止めろ」
影山の対応に困るが、田中の反応にも困る。たった一人の存在が、大きく、まるで台風かの様に暴れているのは確かであった。
良い意味でも、悪い意味でも。
「秘密の特訓とか、男のロマンですのぉ〜」
「うんちゃん分かってるな!」
「うぃっ!」
グッと親指を立て合う二人を、影山は黙って見つめているのだった。
(2021,7,25 飛原櫻)