【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】
第9章 7ページ目 秘密の特訓は男のロマンである
田中があんな感じになっているが、本来は女子への免疫はなくて、話は余り出来ないタイプだ。にも関わらず、すぐに田中を普段通りに話させているので、朔夜はかなり変わった存在なのかもしれないと。
たった一週間で影山に告白して恋人同士になっているのは、伊達ではなさそうだ。
「そう言えばなんて呼べばいいんだ?」
「なんでもおっけーです!」
「そうだなぁ……」
腕を組んで考えている田中を横目に、菅原はこっそりと影山に声を掛けた。確信をする為にも。
「影山、良いのか?田中と仲良くなってるみたいだけど」
「はぁ……?別に困らないです」
淡々と即答した影山に、菅原は間違いないと判断をして、影山にしか聞こえない様に言う。
「影山さ……勢いに押されて、流れで付き合ってるだろ……」
言われた影山はチラッと朔夜を事を見て、他人事の様に言う。
「はい、どうせ向こうが飽きるまでの付き合いだと思うので、バレー部には迷惑かけないつもりです」
やっぱり恋愛感情あっての付き合いではなかったかぁ、と苦笑いせずにいられない。
まぁ影山の性格を考えた時点で、彼女彼氏、になっているのがどうもおかしいと感じていた。
あの勢いにならば、押されてついつい了承してまった、のも仕方ない気がする。影山ならば尚更だ。
(口数少ないと大変だなぁ……)
影山に気持ちがない事に、複雑な心境になってしまう。かと言って朔夜も見た所、影山好き好き!と言った様子も見られない。
恋に恋する感じでもなく、曖昧な好きで成り立っているのかもしれなかった。
(一週間じゃあお互いに分からないのが普通だし、個人間の事に口出しは出来ないからなぁ……)
ただ、影山の様子を見ていると口で言っている事と本音は別の可能性があるな、と感じた。そうでなければ、日向と田中と楽しそうに話しているのを、微妙な表情で見たりなんかしないからだ。
「よし!じゃあうんちゃん、はどうだ?」
「うんちゃん!トラックの運ちゃんみたいで、かっくいー!」
「じゃあうんちゃんで決まりだな!俺の事は何時でもキャー田中先輩(ハート)って呼んでいいからなっ!」
「キャー田中先輩ー!」
「ワッハッハー」
「楽しそうと言うか……溶け込むの早過ぎと言うか……」
「どうせそう言う奴だから良いです」