【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】
第9章 7ページ目 秘密の特訓は男のロマンである
「言うタイミングを逃したと言うか……」
バツが悪そうに言う影山の姿を見て、朔夜は目を輝かせた。弱み握った!と言わんばかりの顔だった。
「何した !? 何したっ !? 」
「いや……あの……」
白状したがらない影山に、朔夜は腰をど付きながら、楽しそうに攻撃をしてくる。
「はよ言え!はよ言え!何をしたんだー!」
「いてっ!何で殴ってくるんだよっ !? 」
「白状せーい!」
朔夜を見下ろし、苦虫を噛み潰したような顔をしながら、影山は諦めて一昨日の事を話すのだった。
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一通り、一昨日何が合ったのか何をしてしまったのかを正直に話した。流石に呆れられただろう、と朔夜の事を見ると目を輝かせながらに言うのだ。
「何それずるーい!自分ばっか面白いのしてて!何で呼んでくれなかったのさー!」
ぺしぺしと叩いてくるので、影山はどうすればと思いながら、小声で答えた。
「いや……お前一昨日帰っただろ……」
「そんな面白い事起こるなら、帰らないで着いて行けばよかったぁー!」
「いや……知らねぇよ……」
相変わらずの予想外の反応に影山は困っていた。問題を起こしている事に、落胆も呆れられていない事にも。
それどころか混ざりたかった、と言われてしまい困っていた。
「私も空飛ぶ教頭先生のヅラみたーい!」
「それ口に出したら駄目だからっ!」
ぴー、と言う朔夜に菅原は慌てて口を塞ぐ様に言う。無かった事にしろ、と言うのは口外禁止と言う事である。
どうせとっくに噂が出回っているけれど、それでもバレー部関係者が口にするのでは意味合いが違い過ぎるのだ。
これは、朔夜の興味をすぐにでも他に逸らさなければならない。菅原は急いで自己紹介をした。
「で、二年からは田中、三年からは俺、菅原孝支が二人のフォローしてる感じ、かな?」
「優しい先輩が二人!」
「そーそー」
上手く誤魔化せているぞ、と思っていると菅原の狙いは全く分かっていないが、田中も入っていて言う。
「そうだ!優しい先輩だ!キャー田中先輩(ハート)って言って良いんだぞ!」
「キャー田中先輩!」
「わっはっはっ!もっと言っても良いんだぞ !! 」
「キャー田中先輩やさちー!」
「……もうアレ、単に女子にチヤホヤされたいだけじゃんか」
有頂天になっている田中の姿を見つつ、菅原は改めて朔夜の事を見た。