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【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】

第9章 7ページ目 秘密の特訓は男のロマンである


 ぶーぶー怒る朔夜に、逃げたい気持ちが出てくる。やっぱりこの掻き乱される感覚が苦手で慣れない。
 どうやって逃げようかと考え出していると、ザッと飛び出してきた日向が言った。

「影山の何処が良かったの !? 」

失礼極まりない言葉に青筋を立てていると、朔夜は笑顔で答えていた。

「顔ー!」
「くぅっ!やっぱり顔の良い奴が勝つ世の中なのかぁ !! 」

 ガクッと膝を付いて嘆く田中に驚いていると、朔夜は付け足す様に笑顔で言う。

「後、しんちょー!」
「やっぱり身長大事なのかぁ!」

 続く様に膝を付く日向に朔夜は首を傾げていた。影山はと言うと、何となくだが勝った気がして、気は悪くなかった。
 中身ではなく容姿が良い、と断言されていたのが。

「日向も田中も落ち着くべ。えーっと……海野さん?だっけ?」
「はい!元気です !! 」

 なんだその返事はと思いつつ、菅原は確認をとってみた。彼女、と言う事は影山とそれなりに付き合いが長いと思って。

「影山と同じ学校だったべ?」
「んーん」

 ぷるぷると首を横に振るので、菅原はあれ?と思った。まだ一年は入学してから一週間過ぎただけである。同じ学校じゃないのに面識があったのだろうか、と。

(影山の性格からして、全く知らない相手を彼女にしたりなんて……)

 んん?と混乱してくると、朔夜は笑顔で言ったのだった。

「四日前から彼氏と彼女!」
「付き合いたてぇ !! 」

 再び嘆いた田中はズンズンと影山の元まで行くと、これ以上ない程の絡み具合で言ってきた。勿論メンチはしっかりきっている。

「女子に興味無い様な顔しやがって、しっかり興味津々じゃねーか!」
「はぁ?」
「出会って一週間で告白だぁ !? 舐めてるんか?遊びに来てるんか?あぁ !? 」

 田中の勢いに押されそうになってしまうので、チラッと横目で朔夜の事を見る。自分?と指を指すので影山が頷くと、朔夜は笑顔で再び言う。

「遊びに来てる訳じゃないけど、告白しましたー」
「したんじゃなくてされてるんか影山ァ !! 」

 くそぅ!と膝を付く田中に菅原がやっと動いて引き摺りながら言う。
 アァー、と嘆く田中の事を朔夜は本当に不思議そうに見ている。このまま田中にビビって朔夜が帰ってくれないかと影山は見ているが、この様子を見る限り帰りそうにはなかった。
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