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【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】

第7章 5ページ目 彼氏と彼女でぷ!


「私の名前ねー、男っぽい名前に、って事にしたらしいんだけど、意外と読めない人多くてねぇ」

 そう言いながら水筒の中身を飲んでいる朔夜の事を影山は見た。
 名前一つで苦労する経験は影山には無かったので、何と返すのが最善なのかと考えるが、答えが出てこない。

「そっちの名前は覚えたー。影山さん家の飛雄さーん」

 キャッキャッと言う姿に、影山は恐る恐る尋ねようとした。

「えと……海野さん、が昨日言った『付き合って』の意味なんだけど…………」
「あー、それねぇ。隊長と総帥に報告したら、『趣旨がねぇだろうが』って言われたんだよねー!そう言えばそーだ」

 へらへらとした朔夜の口調に影山はどうも付いていけずにいる。そもそも『隊長』と『総帥』は何者なのだろうか、と要所要所が変で話が脱線しそうになる。
 コクコク、と水筒の中身を飲むと改めて、と言った形で朔夜は言ってきた。

「んとね、一週間観察した結果、すっっっごい駄目人間なのが分かってタイプだったら好き!だから付き合って」

 駄目人間がタイプとはなんだろう、と思いつつもやっぱり付き合って、と言うのは告白の事であると確信を持てた。

「後は見た目がどストライクー!黒髪短髪ツリ目!」

 ここまでド正直に容姿が好きだと言えるのが凄いと、影山は思いながら朔夜の事を見下ろした。
 やっと名前が分かっただけの、知らない相手。話したのだって昨日が初めてなのは、お互い様。


 好きと言われても分からない。そんな感情を他者に抱いた事が影山には無いから。


「……俺はバレーが好きだ」
「うん?」

 小首を傾げる朔夜に向かって影山は続ける様に伝える。最初から変に期待を持たれない様に。

「優先順位はバレーだ。部活優先だし、テレビで試合あれば必ず観る」

 言葉にはしないが、優先順位から相手にしない事が多いと告げる。これでやっぱり付き合えない言われても、影山にはなんの問題もないのだから。
 すると影山の思惑と異なる、ヘラヘラとした返事を朔夜はするのだった。

「おっけーおっけー!私もアニメ観たいし、漫画読みたいし、ゲームしたいし!」
「…………」
「それに落ち着いたらバイトも始めたいから、全然もーまんたい!」

 全く大切にしない、と言う言葉を投げかけられてもいいらしい。それには正直困惑が隠せない。
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