【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】
第7章 5ページ目 彼氏と彼女でぷ!
「……………………」
早朝五時、影山は目の下に隈を作りながら起き上がる。
一睡も出来なかった。体調管理には常に気を遣っていたので、こんな事は初めてである。
バレーの試合が合っても寝られない事が無かった影山に取って、寝られないと言うのは信じられない事でしかない。
「……寝られなかった」
ボソリと呟いてから、眠かろうが日課のランニングに行かねばと身体が訴えるので眠気眼で、出掛けた。
「…………」
眠くて集中出来ない。
朝食を取りながら何度も寝落ちしそうになったし、歩いている今も気を抜いたら寝てしまいそうだ。
これはもう授業中爆睡してしまうだろうな、と考えていた。
寝不足の原因は言わずとも昨日の事である。
(付き合う……これからよろしく……)
言われた事を頭の中で何度も反復する。
そして、興味がない事柄であるとは言え、知識が無い訳ではないので、帰宅してからやっと理解したのだった。
(やっぱり……付き合うって恋人、って事……だよな)
つまり、昨日の呼び出しは告白だった、と言う事だ。
いや、でも付き合って、と言われただけで好きだとか好意の言葉を言われていない。
そう思うともしかして、からかわれているだけの可能性も否定出来ない。
なんせ、ダメ人間だと面と向かって言われているのだから。
考えれば考える程、答えが出てこない。相手は名前すら知らなく、クラスメイトであると言う情報だけが影山に分かる事柄である。
「付き合うって……なんだ?」
ボソリと呟いた瞬間、ぺちっと背中を叩かれた感覚に首だけを動かすと、そこには笑顔の女子が一人。
昨日の、付き合って女子だった。
「おぱろー」
へにゃへにゃと笑いながらに挨拶をされ、相手が誰であると認識した瞬間に、影山の眠気が一瞬にして飛んでいった。
「お……おは…………」
上手く言葉が喉から出てこなく、挨拶すらまともに出来なかったのだが、気にならないのか指摘してもらえなかった。
「いい天気だねぇ〜。ポカポカ陽気」
ルンルンと歩いていく後を、影山は慌てて追い掛けていく。
オタク+オタク=?
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