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【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】

第6章 4ページ目 らぶれたー?やぶれたー!


「クラスメイトなんですけどぉー。席も割と近いんですけどぉー」

 思いがけない繋がりに言葉が出ない。クラスメイトと言われても全くピンと来なくて、普段自分がどれだけ周りを見ていなかったのか思い知った。
 ブーブー唇を尖らせて怒る姿にしどろもどろになっていく。

「クラス…………おぉ……」
「別にいいですけどぉー!そー言う奴だって調べたからいいですもーん!」

 今、何と言ったのだろうか。聞き間違えてなければ『調べた』と言った筈だ。調べたとはどう言う意味なのか。そもそも何を調べた言うのだろうか。
 目の前の相手の考えが分からず、ただただ困惑しか出来ない。

「…………なんで呼び出した?」

 やっと言えた言葉はそれ。
 果たし状と訳の分からない事を書き、クラスメイトとは言え面識がない相手を呼び出してきたのだ。
 赤縁の眼鏡に頭の上にお団子頭にしている女子。影山から見る限り、身長は高くなく運動をしている様には見えない。
 バレー一筋で生きてきた自分にとって、この女子は未知の存在。何を考えて、何をしようとしているのか予想も予測も出来ない。

「あのねあのね!」

 影山の問い掛けに、女子はパアっと明るい顔になって言ったのだ。

「付き合って!」
「…………は?」

 女子の言葉に変な声が出てしまった。
 付き合う、とはどう言う事だろうか。何処へ付き合って欲しいと言うのだろうか。

「付き合うって……何処にだよ」

 尋ねてみると、女子は腕を組みながらうーんと頭を捻って考えていた。行き先もなく付き合えと言ったのかと怪訝そうに見ると、女子は得意げな顔で顔で言う。

「二次元かあの世辺り?」
「はぁ?」

 あの世も意味が分からないが、二次元とは何を指しているのか影山には分からない。
 しかし向こうはそれがしっくりと来たらしく、にぱにぱと笑っている。

「あのね、一週間じっくりと観察してみて、すんごいダメ人間だって分かった!だから付き合って!」

 影山には最早何を言っているのか、理解出来なくなっていた。
 今まで生きてきた中で、目の前の人間は理解出来る範囲外に居る存在であると分かってしまった。
 何て返すのがベストなのかと混乱していると、学ランの裾を掴まれて言われた。

「駄目?」
「……駄目、じゃ……ない」

 その姿を見ていたら勝手に口から言葉が出ていた。
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