【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】
第6章 4ページ目 らぶれたー?やぶれたー!
放課後、果たし状を握り締めて影山は無言で歩いていた。
行き先は第二体育館裏。果たし状に書かれていた呼び出し場所だ。
影山は今後頻繁に行く場所になる予定だが、余り人がいない場所なのか体育館へ向かえば向かう程、人はいなくなっていき静寂に包まれていく。
手紙の差出人に関しては本当に思い当たる節が無かった。ただ、書かれている内容には思い当たる節があったのだ。
周りの事を気にした事がなかったのだが、知っている奴がいてもおかしくない。
脅しにはならないが、不安が無いと言えば嘘となる。
第二体育館裏へと曲がる前に生唾を飲んでから進んだ。
「………………?」
そこに居たのは女子一人。てっきり男子がいるとばかり思っていたのだから拍子抜けしてしまう。
こちらの存在に気が付くと、その女子は嬉しそうに笑顔で言い出した。
「わーい、来た来た――!」
てててっと駆け寄ってくる姿に思考が付いて行けず、はてなマークを飛ばしながら吃り声で影山は尋ねた。
「は、果たしじょ……おま……?」
「うん、私私」
にぱにぱと笑いながら言う姿に張り詰めていたモノがプツンと切れてしまい、気だるそうにしつつ確認の意味も含めて尋ねた。
「……俺の秘密って?」
「ん?」
描いたと言う筈なのに、目の前にいる女子は不思議そうに首を傾げるので、ぐわっと怒りが込み上げて来て、影山は怒鳴り言った。
「この果たし状?に書かれてる事!俺の秘密をバラされたくなかったら放課後第二体育館裏へ来い、って書いてあんだろ!」
噛み付く勢いで言ったにも関わらず、女子は慌てる様子も怖がる様子もなく、あっけらかんとした表情で言うのだった。
「そんな感じで呼び出されたら怖くて来る気にならない?マジ怖」
ドヤァ、と言う顔で言われどっと疲れが出て、影山はついその場にしゃがみ込んでしまった。昼休みから今までの間の不安がとり越し苦労だったのだから。
「どしたー?腹痛?うんこ?」
「………………てめぇふざけたモン送りつけて。つかうんことか初対面の奴に言ってんじゃねぇよ……」
女子だし、とか言う気持ちは出てこなかったが取り敢えずそう告げて顔を上げた。……ら、頬を膨らませて怒っているではないか。
何が気に入らなかったのかと言葉に詰まると、ぶーぶー文句顔で言われた。
「初対面じゃないですぅー」
「へ?」
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