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【原作沿い夢小説】オタク+オタク=?【HQ/影山飛雄】

第5章 3ページ目 チラチラッ


「…………」

 何をやろうか決まっていない所為か、心が再びもやっとした。
 漆黒の髪はすっきりと切られているけれど、短くも長くもない丁度良い長さ。
 スっと切れ長の目はツリ目だが、小さくはない。
 お喋りではないのか、仲が良い友達がいなかったのか口数がなくまるで寡黙の様に静かだった。
 姿勢はどちらかと言えば良くて、立っている姿勢は綺麗だった。
 身長も高くて細身では無さそうな体格から、きっと運動部の人間だ。
 スポーツマン、つまり。


「オタクと相容れぬ人種っ!」


 別に中学時代に運動部の友達がいなかった訳では無いが、朔夜の友達はどちらかと言えば文化部の方が多かったし、重度のオタクである自分の友もオタクだ。
 隊長と総帥は朔夜程のオタクではないが、人種としてはオタクであり、好きな作品で盛り上がったりゲームしたりしている。
 そうなるとガチでオタク社会を知らない相手にはどうすればいいのか、皆目つかない。
 そもそも、クラスメイトなだけでまだ相手の名前すら知らないのだが。

「はぁ……はぁあ~」

 大きくため息を付いてからベッドに転がる。
 二次元と三次元はこうも違うので面倒である。妄想だけで終われる二次元は都合良く、便利だ。
 現実はそうはいかないのは勿論分かっているし、二次元と三次元の区別も付く。
 今まで好きな人が出来なかった訳でもないので、現実に興味がない訳でも無い。ただ、二次元の男の方が好きだと言う話である。

「困った時はゲームで現実逃避に限る!」

 気分を変えようとパソコンに向かい、ゲームを立ち上げてSkypeに隊長がログインしているか確認する。

「あやー、隊長いないかぁ」

 ログインユーザー一覧に隊長のアイコンがなかったので、隊長は今パソコンをやっていない様だった。
 ソロで出来ないゲームではないが、オンラインゲームならばチームで遊んだ方が楽しい。
 仕方ないから一人でやるか、とマウスをカチャカチャ弄るが気分は乗らない。
 こんな風に他人が気になって手に付かなくなるのは朔夜にとって初めての経験だった。
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