第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)
「そういえばチョコレートには媚薬効果があるって聞いたことがあります。
でも実際にはそんな効果はないって話だったんですがもしかして……」
兼続「実際に効果があるようだが…」
兼続は気だるそうに額を押さえ、肩で息をしている。
「ごめんなさい。もしかしたら佐助君が言う通り、この時代の人はチョコレートの成分に慣れていないから効果が出てきたのかもしれないです」
兼続「まさか舞に媚薬を盛られると思っていなかった」
「意図的に盛ったわけじゃないですよ!
媚薬効果なんて眉唾だと思っていましたし。
ごめんなさい、今日は初夜なのに……」
この夜のために用意された白い寝間着に包まれて舞は布団の上で小さくなっていた。
丸くなっている背中を大きな手が上下に撫でさする。
怒っていない様子の兼続に舞は顔を上げた。
兼続「初夜におあつらえむきの甘味だ。
独特の香りと甘みで、緊張がほぐれたんじゃないか?」
「でも兼続さんが……」
兼続「俺は大丈夫だ……。ただしお前が大丈夫じゃなくなるかもしれないがな」
「……どういうことですか?」
兼続の目に貪欲な欲望が垣間見えて、舞は布団の上でジリジリと後退した。
兼続「俺はこの日まで舞に手を出さないと誓っていた。
どれだけこの日を待ちわびていたか、俺の昂りが治まるまで寝かさないつもりだ。
あの日のように舞の胎を満たして、ああ、そうか、思う存分抱けば、早く俺達の子に会えるな」
「次は大事に抱くって言っていませんでしたっけ?
わっ、ちょっと、あ………………」
そこから朝まで抱き潰され、布団から出られなくなった舞は、
「もう、ただのチョコレートだったのに、どうしてこうなるのっ!!
媚薬なんてこりごりっっ!!」
と叫んだとか………。
ともかくも偽の恋人を演じることから始まった出来事は、越後にひと組の夫婦を誕生させることになった。
直江兼続は戦国時代では珍しく、妻1人を溺愛し続けた愛妻家とされている……
END