第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)
兼続「はあっ、はあっ、はぁっ……!」
(危なかった……。
あと少し遅れれば舞の中で果てるところだった……)
呼吸を整えながら安堵したが腹が疼き始めたのに気づき狼狽した。
(まただ……すぐ昂ってくる)
恍惚感は一瞬でなくなり、また次の欲望が湧く。吐精など意味がないと薬が嘲笑っているかのようだ。
水を飲み、時間が経過した。
欲を3度も吐き出した。
ところが媚薬の症状は薄まるどころか強まっている…。
これならば吐精せずに水を飲んでいた頃のほうが熱は大人しかったように思える。
(この薬はただの媚薬じゃないのか?
催淫効果が強いにしても、何故にこうも満たされない?)
今まで日ノ本に流通していた媚薬なら、溺れるほど強い快楽を得るはず。
過去には子種が枯れ果てても性交に溺れ、正気を狂わす強い媚薬もあった。
どの薬にも共通したのは性感帯への作用と猛烈な快感だが、どうもこの薬は他と違うようだ。
未知の薬について考えていると、遠慮がちに声を掛けられた。
「少しは楽になりましたか?」
全く楽になっていないと知れば舞は大慌てするだろうから、問いには答えずに次を求めた。
兼続「もう一度…しよう。さっき達しかけていただろう」
「え?……はい…」
兼続「俺が支えるから体勢を変えてもいいか?」
照れ笑いを浮かべる頬に口づけをして、いったん舞を膝からおろした。
まだ足に力が入らないようだが、支えがあれば立っていられるまでに回復しているようだ。
よろめく舞の手を壁につかせると、暗い中にも華奢な背が白く浮かび上がり、うっすらと肩甲骨の凹凸が見てとれた。
(今宵の月がもう少し丸ければ、舞の裸体を堪能できただろうな…)
今は見えそうで見えない裸体に直接触れて想像するしかない。それもまた贅沢なことだと苦笑いして柔肌に手を伸ばした。