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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第29章 ぬいと私~愛の告白は大声で~(謙信様:誕生祝SS2024)


「いたっ」

兼続「謙信様をそんな乱暴な手つきで抱き上げるな。
 抱き上げる時はこうだ」

「え、こ、こう…?」

兼続「はあ、駄目だな。もっと愛情をもって接しろ」

「くっ、悔しい。これならどう?」

兼続「そんなにべたべた触ったら謙信様が気持ち悪いだろうが」

「む~~~、じゃあ、こんな感じで…」

兼続「馬鹿、どうしてそんなに雑なんだ。
 もっと優しくだ、もう1回!」

「優しくしてますよ!」

兼続「してない。俺の手つきと全然違うだろう」

「同じに見える…」

兼続「ふっ……」

「あ、なにその勝ち誇った顔っ!」




少し空いた襖の隙間から、謙信がその様子を見て笑っていた。


謙信「俺の周りには小さな幸せがあるか…。
 この光景もまた幸せなのだろうな」


だが、と謙信の目に物騒な色が浮かぶ。


すぱんっ!!


「えっ!?」

謙信「男の部屋で何をやっている?」

「や、ちょっと誤解しないでください。
 ぬいの扱いを教えてもらっていただけですっ」

謙信「それならば俺に聞けばよかろう?
 舞にどうしてほしいかは、俺が1番知っている」

「う……。
(兼続さんに聞きに来たんじゃなく、ぬいを落としてここに居るって言えない…!)」


兼続「ふっ、精進がたりないな」

「うぅ……。
(確かに兼続さんの方がVIP待遇だったから何も言えない…!」




主従に苛め抜かれた昼下がり

日向に置かれた梅の花が

賑やかな私達を見守るように、静かに花開いた



END

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