第2章 姫がいなくなった(政宗&蘭丸くん)
舞の身体がぐるりと回転し、気が付けば褥に寝かされていた。
「ま、政宗?」
政宗「舞こそ…男心がわかっていないな?
突然消えた恋人に久しぶりに会ったら、こうしたいに決まってんだろ?」
「え!?んんっ!」
政宗の熱い唇に突然唇を奪われ、舞は驚き抵抗し…やがてうっとりと目を閉じた。
政宗「おかえり。もう勝手に居なくなるなよ?
居なくなるなら一緒に連れていけ。お前の生まれ育った世を見てみたいって、いつか言ったろう?」
「ふふ、おいていかれて寂しかった?私も寂しかったよ、政宗…ごめんね。
また会えて嬉しい。大好き、政宗…」
政宗「俺は愛してる、舞……」
照月が空気を読んで部屋から抜け出る。
廊下をひたひたと歩く足がぴたりと止まった。
そこには顔の前で人差し指をたてている蘭丸が立っていた。
『しー』と小さく言って、照月を抱きあげた。
蘭丸「政宗様が心配でずっと近くに居たんだ。これでもう安心だね。
君のご主人が出てくるまで、俺の部屋で寝なよ」
照月「にゃ」
蘭丸「はー、良かった。見守るだけで良かったのに、いなくなっちゃうんだもん。
舞様にはあとで会いに行こうっと」
足音を立てずに蘭丸はその場からいなくなった。
次の日蘭丸が会いに行くと、抱きつぶされた舞がやつれた顔で蘭丸を出迎えた。
せっかく500年後の世で綺麗にしてきた髪は絡み、たくさん買い込んできたのに、化粧をする気力をなくしていたのは、後々舞と蘭丸の笑い話になったという。
END