第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)
謙信「時々…なんだ?」
「え?あぁ、時々……我儘?ですね、ふふ」
謙信「もともと俺は思いのまま行動する方だ」
憮然とした表情で息を吐くと、背に回っていた腕に力を入れ、抱き起してくれた。
達した余韻が冷めてきたところで欲を引き抜かれ、鋭い痛みに我に返った。
(痛い……)
眉をひそめ太ももを合わせる。ジリジリと痛むそこからトロリと何かがこぼれた。
「あ……どうしよう、じゃない、どうしましょう。謙信様のものが溢れて……」
真っ赤に腫れている女の口から白濁がトロトロと零れている。
(こんな時はどうすれば…?志乃さんに来てもらうの?う~~~~死ぬほど恥ずかしいんだけど)
皺だらけになって蜜で汚れた敷布など、あれこれを取り換えられるだけで恥ずかしいのに、交わった後の処理をしてもらうなんて恥ずかしすぎる。
戸惑っている私に謙信様の手がのびてきた。
謙信「俺がやってやる。今後も他の者はもちろん、静華にもやらせない」
甘い囁きにぼうっとしているうちに謙信様は本当に何から何まで綺麗にしてくれて、気が付けば夜着(よぎ)を着て褥の上に座っていた。
汚れた男物の着物も、どこをどう見ても見当たらない。
「ありがとうございます……謙信様……」
身体がだるいし、頭がぼーっとする。
だらしなくへたりこんでいると、ふと空気が動いた。
謙信「今は愛らしく果てたばかりゆえ、特別に慈悲の時間をやろう。1、2、3……」
背後に感じる物騒な気配に一気に目が覚めた。
「えっ!えっ!?」
立ち上がろうとして膝がへにゃりと褥に崩れると、謙信様が満足そうに笑った。
(時々斬りかかって欲しいとお願いしたけれど、まさか…まさか、今なのっ!?)
謙信「知っていたか?閨で襲われることは、そう珍しくない。
まして睦み合いの最中は猶更隙ができて狙われやすい」
「そ、そうなんですか?わっ」
短刀をつきつけられて『降参』と両手を上げた。
今は本当に無警戒だった。
「ご、ごめんなさい。謙信様…。次は頑張ります」
しおらしく謝ると謙信様は短刀を仕舞い、私の向かいに座った。