第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)
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(娘視点)
硬さのあるしっかりした指先が足の付け根に触れた途端、お腹の奥の空洞がきゅっと収縮し、足の付け根はびしょびしょになった。
月のものが来れば血が出てくるそこから水が出てくるとは知らなくて、聞けば女が気持ち良くなると勝手に出てくるものらしい。
ジュクジュクと疼くお腹の奥は飢えていて、欲しい欲しいと何かを強請っている。
茶屋の2階で男女が睦み合っている声が聞いたことはあっても具体的に何をしているのか知らなかった。
『抱いて』とお願いしておきながら、どのようにして抱かれるのかわかっておらず、とにかく触って欲しくて、強烈に何かを求めていた。
(足りない…、欲しくてたまらない。
でも何が欲しいんだろ…)
生温い水を排出する部位に長い指が慎重に入り込んでくると、欲しがっていた体が少しだけ満たされた。
狭い道を慣らしながらゆっくり進む指に、傷つけまいとする思いやりが感じられる。
(ああ、まさか、こんなことに……)
この人は理由をつけて唇には触れてこないし、本当に抱こうとしないのも私のためを思ってくれている。
彼が触れてくれるのは今夜限りだとわかっていたから、実のところ私はとても焦っていた。
止むに止まれぬ状況だからこそ触れてくれるだけあって、薬が抜ければ相手をしてくれないとわかっていた。
(だってあなたは……)
触れてもらっているという多幸感が一斉にひいていき、切なさだけが胸を満たす。
(私のこと、何とも思っていないでしょう?)
ぼろっと大粒の涙がこぼれ、潜り込んでいた指の動きが止まった。
痛くて泣いていると誤解したのかもしれない。
「あ、もっと…」
濡れた壁を刺激されると、もっと奥まで欲しいと自然と足が開いていった。
痛みや圧迫感は幸いというべきか快感へと繋がり、指1本を受け入れて呻いていたのが嘘のように2本目、3本目と受け入れられた。