第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)
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「いたた……生理痛にしてはお腹が痛い…。
遅れたから重いのかな……」
謙信「っ、お前……やはり子が居るのではないか?」
「大丈夫…です、多分…イタタ…」
謙信「多分とはなんだ。とにかく駕籠の中で大人しくしていろ。
大名の屋敷に着いた時のように一人で降りぬようにしろ、俺が運ぶ」
「一人で降りられませんよ。何ですか、この足。
こんなに大袈裟に手当していたら骨折したみたいに思われるじゃないですか」
謙信「俺のモノになったからには傷ひとつ負うな。
お前を傷つけたモノは全て抹消する」
「……意外と過保護なんですね」
謙信「舞にだけだ」
草履と足袋は、謙信様が焚火を熾して燃やしてしまった。
行き過ぎた行動に驚いたけれど、独占欲を露わにする謙信様に胸がキュンキュンさせた私も、どこか行き過ぎているのだろう。
遠くに謙信様が手配してくれた駕籠が見えて、振り返れば私が目指していた隣町があった。
そのずっと先に、現代へ戻る道がある。
「春日山城に早く帰りたいな…」
謙信「ああ、帰ろう。もう二度とお前を離さない。
舞の家は春日山城だ」
ポツリと呟いた言葉を聞き逃さず、謙信様は私を力いっぱい抱きしめてくれた。
END