第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)
「ごめんなさい、少しびっくりしただけです。
ふふっ、謙信様も慌てる時があるんですね。まさか舐めて慰めてくれるなんて…」
謙信「一瞬我を失っていた。怖がらせてすまなかったな」
謙信様は自分の失態だと気まずそうに視線をずらした。
些細なことを謝り合う私達は、まるで本当の恋仲のようだと胸がフワリと温かくなった。
気持ちがほぐれて『さっき言えなかった言葉を言ってみようか』という気になった。
「謙信様、あのっ…ん!……ん……」
また唐突の口づけをされて、私は両手で口を覆った。
言葉を吸い取った口づけは、とりわけ強引で甘くて、胸の高鳴りを隠すために怒ったふりをした。
「話を切り出そうとしているのに何するんですか!」
謙信「女に言わせる言葉ではないからだ」
「え?」
謙信様は整った顔に苦笑を浮かべると、今度は静かな口づけをしてくれた。
「ん……」
一夜限りの相手にするには長い口づけで、優しさが籠っていた。
「ん、はぁ…」
謙信「……ん」
唇が離れると銀糸で繋がり、糸の先をぼんやりと見つめる。
憧れの人との儚い繋がりはすぐに切れ、私達の関係はこの夜限りだと思い知らされるようだった。
謙信「身体を……許してくれないか。
手や口で慰められているうちに、どうしても舞が欲しくて堪らなくなった」
グイと腰を押し付けられて下腹の疼きが大きくなった。
謙信「嫌ならしない…。お前が俺に判断を委ねたように、俺もお前の意志を尊重したい」
「……!」
(自分から切り出すよりも、改まって言われ方が恥ずかしいっ!)
真っ赤になった顔を見られたくないと横を向くと、伸びてきた手で真正面に戻された。
恐ろしいほど整った顔で謙信様が私を強く求めている。
(この人が…私を……抱きたいなんて、嘘じゃない?)
現実離れした事態に情けない声しか出てこなかった。