第24章 戦国時代の付き合い方(慶次)(R18)
「なに?」
慶次「梳いてやろうと思ったら指が全然通らねえ」
慶次が痛くない加減で指を動かすと、髪が引っ張られた。
酷い絡み具合だ。
「……慶次が激しすぎるからでしょ」
慶次「初めて愛し合うのに、手加減なんてできるかよ」
胸が疼かせるようなセリフに、幸せが沸きたった。
慶次「風呂で髪を洗ってやるから心配すんな」
「似生みたくごしごし洗わないでよ?」
慶次「はっ、わかったよ。似生はお前の好敵手か?」
「そ、そういうわけじゃないけど、慶次の扱いが私と似生、変わりないっていうか…」
慶次「全然違うだろう。こんなに可愛くて、柔らかくて、戦の真っただ中に居ても俺の胸を独占するのは舞だったぜ」
「き、急に素直にならないでよ」
慶次「お前こそ、こんな時にツンとするなよ」
皮肉っぽい声色に、幸せが滲んでいる。
朝日が障子をじんわりと白く染めて、事後の気だるそうな慶次を露わにしていく。
(きれいだな…)
慶次「ん?」
「な、なんでもない」
慶次「なんでもないじゃないだろう」
恋人に見惚れたことが照れ臭くて顔を隠すと、見透かした慶次が笑っている。
静かな夜明けに響く笑い声は、この上なく甘やかな気持ちにさせてくれた。
END