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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第16章 輝く世界(慶次)


廊下に出ると広い庭は赤や黄色の葉で埋め尽くされて錦絵のようだ。
庭師が数人がかりで掃除しても間に合わない早さで、木々から色鮮やかな赤や黄色、茶が降ってくる。


(秋の景色ってこんなに綺麗だったんだ………)


あまりの美しさに胸を打たれた。


慶次「秋はあっという間だ。もうすぐ冬が来るな」

「そうだね。私、安土で冬を迎えるの初めてなんだ。
 このお庭も真っ白になるかな」

慶次「雪囲いした庭もなかなか風情があるぜ?
 にしても冬は似生が寒がって俺の寝床に潜り込んでくるから嫌なんだが」

「そうなの?ふふ、可愛いね」


もうすぐ見られる雪景色と寒がる似生を想像しながら廊下を進む。


(ありがとう、慶次)


何度心の中でお礼を言ったかわからない。
今美しい景色を見ているのも、未来を楽しみにしていられるのも慶次のおかげ。


「綺麗……」

慶次「紅葉に負けないくらい舞姫も、美しいですよ」


からかわれてるってわかっているのに顔が赤くなった。


「いきなり変な冗談言わないで!!」


バシッと慶次の腕を叩いた。


慶次「いってえっ、叩くことないだろう」

「心にもないこと言うからでしょっ」

慶次「ちっとは本気かもしれないだろうが」

「え……」

慶次「お、赤くなったな」


私が取り戻したのは視力だけじゃない。

支えてくれる人たちの思いやりを感じる心や信じる心……
人を好きになる気持ちも…

それら全て取り戻して周りを見れば、何を見ても新鮮で綺麗に見えた。


信長様、安土の皆、女中さん…そして慶次。
みんな、ありがとう


みんなのおかげで世界はこんなにも美しく、輝いている。


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