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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第15章 secret word(政宗)


政宗「舞か、ちょうど汁物ができあがったとこだ。味見しろ」


城中探し回ってやっと見つけた恋人は、厨番の人達に混ざってイキイキと料理をしていた。
さっき覗いた時は居なかったから、すれ違いになったんだろう


「信長様から『政宗を天主に連れてこい』って言われてるんだけど…。
 見つけるのに時間がかかっちゃったから早く行った方がいいよ」

政宗「じゃあ早く味見して感想を言え。そのくらい遅くなってもわかりっこないだろう?」


政宗は残念そうに肩を竦めて襷(たすき)を解いた。


政宗「煮物を作ろうと思ったんだが駄目だな。
 今作っておけば夜の宴に間に合ったんだが他の奴に頼むか」


今年は天気に恵まれて安土の農作物は豊作だった。
そのお祝いの宴が今夜、控えていた。

政宗の煮物が無いのか…と残念に思いながら小皿に取り分けられたおつゆを味見した。


「ん、美味しい!貝のお出汁だね」


貝と言ってもアサリやシジミとは違う旨味があった。


政宗「正解。今日、奥州から使いが来ただろう?
 ちゃんとした用事はあったが、ついでに奥州でとれたホッキ貝も一緒に届けてくれた」

「ホッキ貝…?」


(って、どんな貝だったけ?)


政宗「なんだ、知らないなら見てみろ」


促されて桶の中を見ると、手のひらサイズの貝が沢山入っていた。


「うわぁ、大きいんだね」

政宗「こいつは北の海に住んでいて、安土にまで滅多に流れてこない。
 ヒモは汁物にすると良い出汁が出る。身は軽く湯通しして刺身にする予定だ」

「ふーん、そうなんだぁ」

政宗「湯通しすると色が変わるぞ」


すでに捌いてあるホッキ貝の身はミルク色で先っぽはグレーだ。


「何色になるの?」


ホッキ貝から政宗に視線を移すと企んだ笑みを浮かべている。


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