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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第12章 姫と一緒に帰還したのは…


?「奇跡的に再会できたら教えてやる。良いから思い浮かべろ、お前の愛しい男のことを」


促されて目を閉じた。
私の手をとって笑うあの人の顔を。

思い浮かんだらワームホールの中だということも忘れ、笑みが浮かんだ。


(もう直ぐ…もう直ぐ会いに行くからね)


?「頃合いだ。手を離すぞ、団子女」


(団子女ですって?)


幸村のイノシシ女に次ぐ失礼な呼び名だ。

目を開けて睨むと、青白い顔に微笑が浮かんでいた。


?「せいぜいその命を燃やして生きろ」


神経質そうな白い手が離れ、私は支えを失って体勢を崩した。


「あなたこそ!人にばっかり言っていないで生きなさいよっ!
 先に死んだらお団子食べながら笑ってやるんだから!」

?「………」


離れていく白い影が何か言っていたけど、それを聞きとる間もなくワームホールから抜け出た。


「わっ!!?」


まともな重力を受けてドサっと着地した。

そこは私が良く知る場所で、待っていた彼がおかえりと迎えてくれた。
普段は微塵も動揺しない人なのに、私の姿を見たら目を丸くして驚き、喜んでくれた。

居ない間ずっと待っていたと言って抱きしめてくれた。


「ただいま!ごめんね、急に居なくなって。
 うぅ、私も凄く会いたかった!もう、どこにも行かないよ、絶対!」


強制的に現代に戻された原因は佐助君もわからず、そのままになってしまったけど、それ以来現代に戻されることはなかった。

大好きな人の傍で、支え支えられ生きている最中(さなか)、時々あの男の人のことを思い出した。

にくたらしい彼と再会するのは、もう少し先のことだけど、そうとは知らず私は愛しい人の手を強く握った。


「ずっと一緒にいるね、大好きっ!!」


END


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