第11章 聖なる夜は騒がしく(謙信様)(R-18)
(イキそうなのは私だけ…)
さっき気持ち良いと言ってくれたけど、一緒に絶頂に駆け上がるほどじゃないみたいだ。
「謙信様………」
謙信「どうした、イキたいのか?」
「は、い………」
謙信様は両胸を揉みしだきながら、笑いをこぼした。
謙信「今日は随分と素直だな。酒のせいか?」
「わかりませんけど……は、ん!ここに……」
それ以上は言えないと唇をぐっと噛んだ。
腰をグリグリと押し付けていると、謙信様が優しい笑みを浮かべた。
以前のように儚い笑みではなく、至極幸せそうな温かい笑みだ。
それが酷く胸を熱くさせた。
謙信「なんだ?正直に言えたら叶えてやるぞ」
二色の瞳が甘く、ずるく輝いた。
(わかってるくせに…)
でも欲しくて欲しくてたまらない私はその意地悪な条件を素直に飲んだ。
「ん、ここに、欲しいんです……」
謙信「…挿れているだけでは不満か?」
意地悪い顔をしても目を奪われる程格好良い。
「~~~~~、意地悪!」
謙信「なんだ?」
「も、いいですっ」
これでも頑張ってお願いしたのに…今夜の謙信様は本当に意地悪だ。
すっかり腹を立てた私は、全部引き抜いてしまおうと腰をあげた。
でも胸から移動した両腕が腰に添えられ、勢いよく下にズン!と降ろされた。
先端を残して抜けていた欲が、一気に根元まで埋まる。
「あっ、や、ぁん!!」
体重も加わり、奥に当たった感覚は痺れるようだった。
「ああんっ!ひど、い、ぁっ、あぁ…」
身体がぴくぴくと震えた。
簡単に気持ち良くさせられる自分が悔しい。
謙信「正直に言わないからだ」
「さっき言いましたっ!!も、これ以上、嫌ですっ!」
半ば本気で怒りながら布団に手をついて、腰をあげようとした。
でも謙信様の両手が腰を掴んで離さない。
「や、だ。も、無理」
明るい部屋で抱かれるのも
上で動いているのを見られるのも
いやらしい本心を言わされるのも
恥ずかしさのメーターが振り切れて、これ以上のことは絶対したくない。