• テキストサイズ

☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第8章 姫がいなくなった(秀吉さん)


家康「………なんかその鳥、舞みたい。
 『秀吉さん大好き』って言ってる気がする」

「チャ!チャ!(そうだよ!家康!)」

秀吉「この間光秀にも言われた。だが人が鳥になるなんて、お伽話じゃないんだからありえないだろう」

「チャチャッ(ここに実例があるよ~)」

秀吉「なんだお腹がすいたのか?今、餌を運ばせるから待っていろ」

「チャ……」


伝わらなくてもどかしすぎる。


家康「にしてもその鳥、一日中一緒なんですか?」

秀吉「ああ。一度部屋において出ようとしたら羽が抜けるくらい暴れたんだ。
 それからはこうして肩に乗せている」

家康「ふーん……」


そう。鳥になって良い事といえば、仕事中の秀吉さんを四六時中、遠慮なく見ていられることだ。
肩に乗っているから温もりが伝わってくるし、仕事にひと段落すれば少しの時間でも遊んでくれる。

一日中秀吉さんと一緒に居られるのは嬉しい。


『あれ…そういえば』


ふと、鳥になる前夜の会話を思い出した。




秀吉『俺は戻るから、このまま舞は寝るんだぞ』

『…もっと秀吉さんと一緒に居たいな』


酔っぱらっていた私はいつも我慢していた本音を言ってしまった。だけど、


秀吉「俺も一緒に居たいが、今夜は客人が大勢いる。また今度な?」


そう言って秀吉さんは戻って行ってしまった。

寝支度をしながら『秀吉さんと一日だけでも良いからずーっと一緒に居たいな』って呟いたっけ……。


『もしかしてずっと一緒に居たい、なんて言ったから鳥になっちゃったのかな』


一緒に居られるけど秀吉さんには心配をかけているし、それに数日経ってしまっている……。


「チャ……チャチャチャァ……(どうやれば元に戻るの?!)」

家康「その鳥、よっぽどお腹がすいているんですね。ソワソワしてる」


向こうからお米のお皿を持った女中さんが歩いてくる。


「チャ!(違うよ、家康!)」


食い意地が張っているみたいに言われて家康に抗議する。


秀吉「可愛いだろ?」

家康「はいはい」

「チャ……(違うのに、もう)」


硬いくちばしで秀吉さんの肩をツンツンしてやった。


/ 1220ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp