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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第37章 姫の年越しシリーズ(2025年)・1月1日


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政宗「絵馬にはなんて書いたんだ?」

「どうせ奉納する時に見るんでしょ。その時まで秘密」


書いてすぐに教えるというのも願い事を軽んじている気がして秘密にしたくなる。

政宗も書き終わり、借りた筆を返して絵馬の奉納場所に向かった。

初詣はメジャーな習慣じゃないのか、それともたまたまポケット時間なのかわからないけど訪れる人は少なく閑散としている。

絵馬を掛ける場所を探す手間もなく手近なところに絵馬の紐を掛けた。
日差しがかかり楷書の文字をくっきりと照らし出している。


政宗「おい。『政宗より料理が上手くなりますように』ってなんだよ。
 さっきおいて行かれそうになったからあてつけか?

「違うよ。私が知る中で政宗が一番料理が上手だから目標になってもらったの!
 政宗より料理が上手になったらお食事処のお店を開いちゃおうかな」


お城に居ても掃除以外やることもないし、城下でお店を開くのもいいかもしれない。

女性の生き方が限られているこの時代で新たな道を切り拓いて、立派に生きられたら素敵だ。

……なんて考えていた私は甘かった。


政宗「目の付け所は良いが、店を開かせるわけにはいかねえな。
 お前が料理を振る舞うとしたら」

「振る舞うとしたら…?」


一応信長様のお気に入りってことになっているから安土城内だけに留めろってとこかなと、ふと視界に飛び込んできたのは政宗の絵馬だった。

大胆な性格からは想像できない綺麗な文字で書かれていた。
崩し字を1文字ずつ楷書体に変換して読んでいくと…


(『奥州の四季を舞に見せたい』?)


少し前に『いつか政宗のお城に遊びに行ってもいい?』って言ったからだろうか。


(でも四季を見せたいって、つまりは1年近く長期滞在して欲しいってこと?)


政宗はそんなに長い間、青葉城に居て欲しいと思っているんだろうか。

どうしてと考えると変な期待が膨らんでしまって、いやいや何も期待なんかしないんだからと、膨らんだ期待をバシンと叩き落とした。


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