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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第34章 呪いの器(三成君)


光秀「義母が簪を用意した証拠をつかまなければ、千代姫が知らないと主張したところで罪から逃れられない。
 舞には悪いが、まずは全員容疑者として情報収集にあたる」


千代姫だけがターゲットなんじゃなく、視野を広く持ってもらえたことに満足して私は頷いた。


光秀「信長様、今夜中に九兵衛と他数名を先発させて数日後に俺も出立します」

信長「わかった。出立前に何か情報を得たら俺のところに立ち寄れ」


光秀様が早速といった感じで立ち上がったので、あの、と呼び止めたら無言で視線を返された。

とても綺麗な顔立ちだからこそ、無表情に迫力がある。


「いえ、やっぱりなんでもありません。
 どうか……よろしくお願いします」


本当は千代姫を守って欲しいと言いたかった。

すんでのところでやめたのは容疑者の1人を特別扱いするのは不公平だと思ったからだ。

歯がゆいながらお願いしますと頭を下げた。しかし…


光秀「どうやら俺は重要参考人を殺される間抜けな人間だと思われているようだな?」

「いいえっ、そんなことは思っていません」

光秀「そうか?お前の顔には『千代姫を守って欲しい』。そう書いてあった。
 つまりこの俺が、参考人である千代姫を殺害されるようなヘマをしないかと心配したんだろう?」


(まさかそんな捉え方があるなんて…)


鋭い視線は静かに怒っているように見えて、予期せぬ誤解に平謝りするしかなかった。


「私の中で千代姫は容疑者ではなく友人のままなので、危険が及ばないように案じただけです。
 プライドを傷つけてごめんなさい。秀吉さんが『最高に頭にくるが仕事はできる』と言っていたのを忘れ……ぁ」


(やばい!これは言っちゃ駄目なヤツだっ!)


気まずい咳ばらいをひとつする。


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