【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】
第4章 空2 崩れた日常
「はぁ…………」
放課後、授業後の片付けを一人でしながら綱吉は大きなため息をついた。
一人でこの広い体育館の掃除が大変なのは勿論だが、綱吉が周りから駄目駄目言われていても学校に来る理由であった憧れの少女に彼氏がいたのだと知ったからだ。
もう学校に来る意味もないと項垂れていた。掃除も中途半端な状態だったがもう帰ろうとした瞬間、扉が開いて誰かが入ってきた。
「綱吉、手伝うよ」
そこにはもう帰る支度を済ませていて、綱吉の荷物も持ってきた飛鳥が立っていた。
「飛鳥…………あ゛~~……」
頭を抱える綱吉の姿を見て、飛鳥はさらりと尋ねてきた。
「笹川京子と何か合ったの?」
ズバッと言い当てられ、綱吉はますます凹みながら答える。
「いや…………やっぱり剣道部主将とデキてたんだって。もう学校に来る意味がない…………」
朝から駄目駄目言われ続けた上に失恋。もうやる気が起きないと落ち込む綱吉に、飛鳥は首を傾げながら言う。
「同じ委員会なだけとしか聞いてないよ?」
同じクラスメイトだからか飛鳥は綱吉の想い人、笹川京子と最低限の付き合いが合った。
実際は京子から話しかけてくる事が多く、飛鳥から話し掛ける事はないのだが。話し掛けられたら対応をするだけ。
深く関わる事を飛鳥は好まなかったが、京子は積極的に飛鳥に話し掛けてきていた。その話の中で飛鳥はたまたま剣道部主将の話を聞かされていたのだ。
「そう言ってるだけで実際はデキてるんだよ…………はぁ」
綱吉が京子に恋している事を飛鳥は知っている。それに対して飛鳥は協力をする事はしないが、否定をする事もなく応援だけはしていた。
「大丈夫だよ、綱吉」
転がるモップを手に取りながら言った飛鳥に綱吉は問う。
「何が……?」
「綱吉だもん、大丈夫」
「いや…………うん」
飛鳥の慰め方がいまいち分からないと思いながらも、飛鳥の優しさに癒された。
「飛鳥、帰ろうか」
飛鳥が持ってきた荷物から制服を出して着替えを始めた。綱吉が着替え出したのを確認して飛鳥は掃除のモップをしまいに行く。
その間に着替えを急いで済ませた綱吉は笑顔を飛鳥に向けた。
「行こう、飛鳥」
「うん」
しっかりと互いの手を握りしめて二人は家に帰った。