【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】
第9章 空7 家族
初めは飛鳥の容姿から天人ではないかと拒否されたが、晋助を初めとしてあの銀時までも動き、子供達が助けて欲しいと説得をして回った。リュウとフェイが近辺に来る危険から村を守ってくれると知り、一人と二匹を受け入れてくれたのだ。
乳飲み子の為にミルクを分け与えてくれ、離乳食の作り方や安全な入浴方法まで全て教えてもらえた。
周りに本当に恵まれた、と感謝しきれない。
「飛鳥、おさかな代出すの!」
店主の姿を見て、飛鳥は首から下げていた撫り袋から小銭入れを取り出してお金を出す。
「おうおうなんだ、えらぁ可愛い撫り袋だなぁ?」
「晋にぃがくれたのー!」
「にぃちゃんからの贈り物かぁ。そりゃあ嬉しいなぁ」
ガシガシと頭を撫でられると、飛鳥は撫り袋から綺麗な硝子玉を取り出して言う。
「銀にぃがね、きれいだからっ入れてくれたんだよ!」
「なんだなんだ、銀にぃもちゃんとにーちゃんしてくれてるじゃないか」
「きれーだから晋にぃと小太にぃにはないしょ!なんだって」
「銀時は照れ屋だなぁ」
飛鳥からお金を受け取った店主は松陽に向かって言うのだ。
「しっかし飛鳥ちゃんはこんなに立派に育ってんのに、銀時の方は相変わらずなんだなぁ」
「銀時らしいですよ。正直になるのが苦手なだけで」
苦笑いしながら伝えると店主は言う。
「いやぁ、だとしても銀時の奴はちと飛鳥ちゃんの爪の垢を煎じて飲んだ方がいいな。手伝いのひとつもせんで」
「はは」
やる気を出さない銀時なので、そう言われてしまっても仕方なかった。それでも銀時は銀時として立派にやってはいるのだが。
「さぁて、ちゃんと先生のお手伝い出来る偉い子にはオジサンからのご褒美だな」
カタ、と戸棚の上に置かれている瓶の中から出できたのは大粒の飴玉。綺麗な空色の玉飴だ。
二つ飛鳥の手に渡し、シーッ口元に指を当てて言う。
「銀時にもリュウにもフェイにも内緒な。先生と一緒に食べながら帰るんだそ」
「おじちゃんありがとう!」
掌に乗る大きな玉飴を見て、飛鳥は松陽の足元に抱き着き、一つ差し出して言う。
「こっちせんせーの分!」
「ありがとう」