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【クロスオーバー夢小説】ソラのコ【REBORN×銀魂】

第3章 空1 無表情の少女


ピピピ


ピピピ


 無機質なアラームに目を覚ます。
 決まったテンポで鳴る眠気を遮るその音を、止める為に手を伸ばした。

「…………ん……」

 が、その音に気が付いたもう一つの手が先に止めた。

「…………あ――まだ眠いよ……」

 音を止めた主はそう言うとすぐに布団を頭まで深く被り、二度目の睡眠に入ろうとする。
 二度寝の味を占めてしまうと一度で起きたくなくなるのだ。
 だが、そう言う訳にもいかないので、寝かせない様にと手を伸ばした。


「綱吉、寝たら駄目だよ」


 優しく肩を揺らすと返事が返ってきた。

「ん――……飛鳥、あと五分だけ……」

 その返事に対して淡々と答えた。

「駄目、綱吉の五分は遅刻になるから」

 起きて、と身体を揺らせば布団と一緒に腕が延びてくる。
 グイッと抱き寄せられれば眠気に負けている声が。

「……大丈夫だよ、飛鳥。だから一緒に寝ようよ…………」

 甘やかしてはいけないと再三言われている。
 けれどどうしても甘やかしてしまうと言うか、目の前の相手だけの押しに弱いのだ。

「…………ちゃんと五分で起きる?」
「起きる起きる……」

 本当かどうか疑わしい返事だったのだが、そう言われたので信用する事に。
 まだ男性と言うには幼い細い腕と胸板の暖かさに嬉しく擦り寄る。
 毎朝必ず感じないと落ち着けない大切な存在。




 大事な大事な、愛しい――――兄の存在。




 兄の名は沢田綱吉。
 妹の名は沢田飛鳥。


 似ても似つかない双子の兄妹の何時もの朝が始まった。





「うわぁぁぁぁぁぁ !! 遅刻だ―― !!!! 」

 バタバタと動き回る姿に呆れた声がする。

「もう、ちゃんと起きないからよ。アーちゃんに起こしてもらったんじゃなかったの?」
「そうなんだけど、ついつい二度寝しちゃって!」

 慌てながら身支度をする綱吉に対して飛鳥は全く慌てる様子もなく、朝食のトーストを食べていた。

「アーちゃん、ツッくんの事甘やかしたら駄目言ったでしょう?」

 そう叱る母、奈々の言葉に飛鳥は食べる手を止めて答えた。


「綱吉あと五分で絶対に起きるって言ったから」


 その言葉に綱吉は困った顔になりながら言う。

「あはは…………その予定だったんだけどね……」

 五分で起きませんでした、と言う状況に奈々は言った。
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