【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第21章 第十八話 イワカン
会いたい。その気持ちだけで俺の身体は動く。
いない事の違和感に耐えられなくなった。体育館に、部活に、俺の視界に姿がない事に違和感溢れ出していた。
池ヶ谷がいない世界なんて俺にはもう、耐えられない。
汗で痛む身体に鞭を打ち、休む事なく走り帰った。
家に到着するとぜーぜーと乱れた呼吸をしながらガチャガチャと家の鍵を開けて中に入る。ガチャっと鍵を閉めると一直線に自分の部屋へと駆け、乱暴にドアを開けた。
「 !? ……お帰りなさ……」
「っ !! 」
驚いた様子で口を開いた池ヶ谷の口を、自分の口で塞ぐ。
噛み付く様なキスに池ヶ谷は驚いた様子で俺の腕を掴んできたが、無視して続ける。
乱暴なキスが苦しいのか池ヶ谷が酸素を求めて口を開いてくる。
「ふっ……んっ…………」
「…………ハッ」
口を解放してやると酸素を取り入れようと、池ヶ谷が荒く呼吸をしていた。
「伊織……逢いたかったっ」
強く抱き締め、いない違和感が無くなっていくのにこの上ない安堵感を感じてしまう。もう、側にいなければ駄目なんだと再確認をして。
(2016,3,30 飛原櫻)