【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第61章 another:7
「烏野男子はどうしちゃったのかなぁ~?」
合宿最終日にバーベキューがある事を当日知った烏野メンバーの落ち着き無さを、白福さんは楽しそうに尋ねてきた。
「食事会、ってだけで教えてなかったの。バーベキューって事」
「あらぁ、それはソワソワしちゃうねぇ~。食べ盛り男子はお肉大好きだもん」
清水先輩の話を聞きながらぽん、と私の肩に手を置いてニマニマと笑顔を向けてくる。
私、そこまでお肉好きではないのだけれど、どうしてしまったのかと見ているとスっと胸を指さして言う。
「男子、お肉、好き」
「アンタはなんでそうやって池ヶ谷さんにエロ親父みたいな事をしてるの!」
バインダーを振り回しながら怒る雀田さんの攻撃を避けながら、白福さんは私の事を抱き締めて言うのだ。
「だって池ヶ谷ちゃん反応が初々しくて可愛いんだもん~。私が男子だったら絶対にお付き合いしたいタイプ~」
「他校の下級生をからかわない!」
私を巻き込んだまま騒ぐので、仁花ちゃんは青褪めた顔で助けに入ろうとして何故か自分の足に躓いて転び、清水先輩が慌てて助けに入り、とマネージャーがキャーキャー騒ぐので好奇の目で男子は見てくる。
バチッと影山君と目が合うと、口の先が尖っていたので、何やら不機嫌の様子だった。
「今からでも間に合うから、バーベキューの準備手伝いながら女子トークに花でも咲かせる~?」
「まだ練習試合あるでしょうが!兎に角早く池ヶ谷さんを離しなさい!」
「え~やだぁ~!池ヶ谷ちゃん、すっごい女の子って触り心地で気持ちいいんだよぉ~。特にお胸の辺りが」
くるくる振り回されてどうしたらいいのか分からず、取り敢えず胸がいけないのだと慌てて謝る。
「はわ……ごごごめんなさい?」
「か~わ~い~い~」
「白福!」
やっとの思いで白福さんから解放され、最後の練習試合もあるので各自仕事へと戻っていった。
「これで最後かな?」
綺麗に洗濯物を干し、倉庫の中に用具を戻す。このままバーベキュー会場の手伝いになるので行こうと出ようとした所、外から出てきた手に掴まれて倉庫の中に逆戻りになった。
「影山君?」
「トイレで抜けただけだからすぐに戻る」
そこにいたのは影山君で、試合後だったのか汗を流しながら立っている。
急用でも合ったのかと思っていると、耳元で囁き尋ねられた。
