【R18夢小説】手に入らないモノを求め【HQ/影山飛雄】
第53章 Another:1
痛い。
痛い。
痛い。
止めて、どうして?今私は何をしているの?何をされているの?
動きに合わせて私の意志を無視して声が出る。止まらない、声が止まらない、勝手に口から出てしまう。
止めて、こんな声、私も知らない。こんな恥ずかしい声、聞かないで。
貴方にだけは聞かれたくないの。
「アッアッアッぃや……アッアッ……」
「池ヶ谷っ……池ヶ谷っ」
私……今、影山君と『何』してるの?
痛みと、今までに経験した事の無い初めてを感じながら、何が起こっているのか記憶を遡っていた。
◆
「それってデートだよ、デート!」
「え?違うよ?部活の買い出しだよ?」
HR前に部活を早上がりして買い出しに行くと言う話をしたら、物凄い勢いで食いつかれてしまった。
相手が良くなかったのかな?と思っているとやっぱりそうだった様子で言われてしまう。
「だって相手三組の影山君なんでしょ !? すっごい格好良いよね、彼!」
「え……あ、うん。そうだね」
苦笑いしながら答えたら良くなかったみたいで、バンと机を叩かれながら言われる。
「伊織の目は節穴 !? てかバレー部って四組の月島君とか三年生の先輩で格好良い人多いよね !? 」
「あー、うん。バレー部の皆、凄く格好良いよね」
「そーじゃなくてさぁー」
顔に手を宛てられながら、友達に言われた。
「伊織は疎すぎ!てかアンタも容姿悪くないしスタイル良いし、彼氏出来たっておかしくないんだからね!」
「えっと……」
自分の恋愛なんて全然考えずにいたから、高校生になったら彼氏作れ、と言われても困ってしまう。
それに体型に関しては……。
「私、その……体型の事、気にしてるから……」
ボソボソと言うと顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまったのか、ガシッと胸を掴まれてしまった。
「あーん?こんな良いの持ってて気にしてるぅ?『私のバレーボール持って欲しいな』位言ってこい!」
「お、落ち着いてよぉ……それから離して欲しい……」
私の反応に溜息を付きながら、また言われた。
「影山君とのデート、伊織だったら絶対に落とせるから!イケメン彼氏ゲットしてきなよ!」
「だから、影山君はチームメイトで……」
恋愛話は本当に苦手な上、話を聞いてもらえなくて、私の方が溜息を洩らしたくなってしまった。